自家製ルバーブの栽培
ルバーブとは
ルバーブはシベリア南部が原産とされる多年草で標準和名は「ショクヨウダイオウ(食用大黄)」です。根から直接太い葉柄が伸び、その先に長楕円の大きな葉が広がります。
初夏から夏にかけて地上に花茎を長く伸ばし、花穂に無数の小さな花を咲かせます。
食用にされるのは葉柄の部分で、葉は食べられません。それ自体は酸味が非常に強いのですが砂糖との相性がよく、ルバーブ・ジャムやルバーブ・フール(甘く煮たルバーブと生クリームを合わせたもの)が定番的な食べ方です。ルバーブの葉柄にたくさん含まれているペクチンは、良質な食物繊維で、お腹の調子を整えるので、生姜と組み合わせて、互いに相乗効果がある(ルバーブの仲間)が、必ずと言ってよいほど、漢方薬では使われています。
日本には明治時代になって、北海道に持ち込まれ、冷涼な気候の北海道や長野で、広く栽培されています。しかし、同時期に持ち込まれてもので、男爵ジャガイモのようには、日本中に広まり、多くの農家で栽培されているように、なっていません。これは、ルバーブ栽培農家が、その食べ方や加工の仕方にたいして、ピーアールが不足しているからでもあります。ヨーロッパやアメリカなどでは比較的身近な食材として親しまれています。
ルバーブには品種改良されたものなども含めいくつかの品種があります。大きく分けると柄の部分が赤いタイプと緑のタイプがあります。いずれも強い酸味が持ち味となっています。

自家製ルバーブができるまで
雨よけハウスの場合
雨よけハウスでのルバーブ栽培です。
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(1)ルバーブの双葉、本葉、移植。
雨避けハウスのルバーブの双葉から本葉がでます。
株と株のあいだに、新しいルバーブを捕植します。 -
(2)ルバーブの成長
1ヶ月もしたら、大きく成長します。
雨避けハウスのルバーブは、路地栽培と比べて大きさが違います。1株から生えている本数も多いですし、茎の太さも3倍はあります。3年目、4年目の株もあって、1株から出ている茎の本数も20本以上あります。秋に株分けによってルバーブを増やすこともできますが、根が傷ついて、分けたどちらもが枯れてしまうことがあります。
ですから、新しいルバーブを増やすのは、もつぱら、種を採取して、その種を蒔いて、新しい株を(完全自家栽培)増やすようにしています。 -
(3)収穫
成長したルバーブは収穫し、生のルバーブは、高知大丸の南側にあります「てんこす」の店頭で販売しています。
ルバーブは、ケーキでは、ジンジャー・ルバーブマフィンになり、ジンジャージャムの原料にもなります。勿論ルバーブジャムとしても使われます。なかでも、ボリフェノールが多い、紅色のルバーブを集めて、「特製紅ルバーブジャム」を造ることがあります。数が少ないので、特別な贈答用として使っています。
路地の場合
路地でのルバーブ栽培です。
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(1)ルバーブの双葉、本葉がでてくる
路地に蒔いたルバーブの種から、2週間程で双葉がでてきます。雨避けハウスの中では、安定して育てることができますが、路地では天候の変化で、芽が枯れてしまうことがあります。
私の持っているルバーブの種は、何代もに渡って土佐山の自然に順応していますので、この土地の生え抜きの強さを持っているはずです。1ヶ月ほどで、本葉が大きくなってきます。
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(2)ルバーブの移植
本葉が大きくなったらルバーブの移植を行います。苗床の底に、近くで落ち葉が、腐葉土になつているものを集めて敷き、そのうえに水の通りがよい、土を被せています。
さらに、土佐山夢産地開発公社で作られている「モコモコ堆肥」を被せて、土の表面が乾かないようにしています。 -
(3)成長
移植したルバーブは1〜2ヶ月ほどで大きく成長します。
ルバーブの種を採取
越年栽培のルバーブから種を採取
越年栽培のルバーブから種を採取をします。
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(1)ルバーブの株から新芽、芽株がでてくる
2月初旬、路地に植えている二年目のルバーブの株から、新芽がでてきます。黄色・桃色・緑色のしわしわの葉の中から、赤色の坊主のような中心の芽が見えます。
1か月後、何度かの寒い雨と、ぽかぽかした日がくり返されると、しわくちゃのルバーブの新芽も広がり、2本の茎の中心に、あらたな芽株がみえました。
さらに2週間がたち、気温の上昇と共に3枚目の新芽もでてき、確実に大きくなっていきます。 -
(2)花芽がでてくる
2ヶ月くらいすると、中心から花芽がでてきます。
中心からでていた花芽が、さらに大きく成長し花が咲いたところの一部に種が見られます。
ルバーブジャム
自家製ルバーブでジャムを造る
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(1)ルバーブジャムを造る
水洗いしたルバーブをサイコロ切りして、グラニュー糖を加えます。そして、焦げ付かないように撹拌しながら、加熱します。勿論、水分は、加えませんし、ルバーブの皮を剥く必要はありません。そのままで、水分がでてきて、煮ることができます。
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(2)ルバーブジャムを造る
撹拌していますと、ルバーブの茎の形も溶けて、ドロドロしたジャムになります。
お酒ならば、「新酒ができました」と言うところですが、ルバーブは、「今年も収穫できました」の喜びの言葉で、始まります。

生活学舎桃土「ルバームジャム」の出来上がり!